Creative Trend 2021
新型コロナウイルスの襲来によるクリエイティブの変化
新型コロナウイルスの襲来によるクリエイティブの変化
2020年、日本は東京オリンピックを迎えクリエイティブも力強く華々しい1年になる予定でした。
しかし、突如として起きたパンデミックにより、わたしたちの生活は一変。
クリエイティブは、ニューノーマルに順応していくわたしたちのたくましい姿を映し出す鏡になりました。
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Creative Trend 2021
スローバック平成
スローバック平成
トレンドは平成レトロ。
昨年までの80年代〜90年代リバイバルから、もう少し時を進めた2000年代初頭を彷彿とさせる、ミレニアル世代の青春を彩ってきたテーマが再浮上してきています。ミレニアル世代の懐古も今を牽引するZ世代からみれば新鮮な魅力。
「写ルンです」が少し前に流行ったように、カラフルでポップな色彩、エネルギッシュで生命力と情熱に溢れたモチーフこそ、現代の心を満たすものとして捉えられています。
ニューノーマルな時代に、あの頃世界の中心のように思えた"最強だったわたしたち”を、もう一度。
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身近な非日常
身近な非日常
いつの時代も非日常は、毎日の生活に潤いをあたえてくれる大事なオアシス。
ウィズコロナの時代、今までほどの気軽さで出かけられなくなったからこそ、人々は身近に非日常を取り込もうとしています。
密を避けられるひとりキャンプ、開放感あるバーベキューやピクニック、良い食材を取り寄せたちょっと豪華なホームパーティー。
あるいは、これまでの非日常を日常に変えてしまうようなワーケーション、地方移住や自然の暮らしなど、パンデミックを機にわたしたちの日常は、本来のありたい姿を解放する引き金にもなりました。
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日常の中の多様性
日常の中の多様性
性の多様性が認められるようになってきた今、求められているのは、それが「特別ではない」というビジュアル表現です。
あたりまえの日常の中に、多様な性があるということ。
隣人に同性パートナーの家族がいる日常を、もっとも自然体の姿で描かれることを社会は求めています。もっといえば、ビジュアル表現者である私達が率先してその「日常」をあたりまえのものとして描くことで、社会を理想郷へと近づけたい。
本当の自由のために、わたしたちができることはきっとあるはずです。
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信念の表明
信念の表明
潤沢な物質世界に生きるわたしたちは、何かを選択する基準のひとつに「貢献」や「共感」を大事にするようになり、応援という投資を望むようになりました。
大切にしていること、許さないこと、守りたいもの。
小さくても声を上げれば、仲間が集い、やがて社会を変えるチカラになることをわたしたちは知っています。
ときには直接的にシビアに、ときには抽象的に比喩を交えてユーモラスに。
表明する信条を硬くも柔らかくもできるクリエイティブには、アートセンスの煌めきが求めらています。
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ビビットでカラフル
ビビットでカラフル
人は不足したものを無意識に補おうと欲するものです。世界が不安の中にある今、人々は明るく、軽快で、自然と元気が出るような色彩を求めています。
平成スローバックもこうした人々の感情が背景にあるのかもしれません。
自然体であることよりも、よりカラフルな彩りを。シックで落ち着いたモノトーンよりもビビットに強調したパワフルなカラーを。
眩しいほどに目を引く強いカラーで前向きな気持ちを焼きつけて。
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ボタニカルの気配
ボタニカルの気配
カラフルでエネルギッシュなものが求められる一方で、匂わせる表現は少し前からのトレンド。そこに写っていないけれど、気配がある。
世界全体がまだ閉じているからこそ、せめて自然の中に包まれたい。そんな願望を投影するように、そっと植物の気配を感じさせる表現に注目が集まってきています。
たとえばコンクリートに草木の影がうっすらと差し込まれているだけで、無機質な印象にどこか瑞々しさが漂います。直接置くのではなく、影だけを差し込み、ひそやかな存在主張で、そっと植物の息吹を吹き込んで。
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頑張りすぎないゆるさ
頑張りすぎないゆるさ
「おうち時間」が加速した今年。ワードローブには気合の入ったオシャレ着よりも、気楽で過ごしやすい心地よさを求めるようになったはず。写真や映像などのビジュアル表現でもそれは同じ。
気張ったセッティングやライティング、メイクや衣装よりも、「普段着の私」をありのままに映し出すこと。
ガラリと変わった生活の中で、浮き彫りになった本当に大切にしたいことに気づいた時、「頑張りすぎなくてもいい」という赦しが生まれ、好ましさを持って迎い入れられてきています。
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立体感
立体感
グラフィックの世界では、長らくフラットな表現が好まれてきました。その反動がゆるやかに起き始めています。
平坦な表現よりも立体感ある表現へ。
デジタルデバイスの普及と進化によって、3D表現は以前ほど違和感なく人々に受け入れられるようになり、どこか手作りのぬくもりを残したペーパークラフトやクレイアニメのようなやわらかさとポップな表現として注目され始めています。
コラージュへの熱視線をはじめ、グラフィック表現にもポップさやユーモアが求められています。
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大胆なデフォルメ
大胆なデフォルメ
シンプルでミニマルなイラスト表現はさらに進化し始めています。
グラフィックデザインを意識した「面でみせる」表現で、強調したい部分を大胆デフォルメ。固定観念を取り払い、豊かな色彩と丸みを帯びた輪郭でやわらかくも印象的に訴えるテイストが求められ始めています。
これまで愛されてきた「手書き感・水彩の柔らかさ」は一定の人気として残しつつも、時代は、もう少しインパクトある表現へと移り変わろうとしています。
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コメント
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後藤 あゆみ
2020年は、多くの方が描いていたものとは全く違った景色になったのではないでしょうか。
経済変動が、表現やものづくりにここまで大きな影響を及ぼしたのは、私自身初めての経験でした。
世界的大流行となったCOVID-19によって、人々の行動・生活・価値観に大きな影響を及ぼすと同時に、企業に求められる事業・サービスの在り方や、私たちクリエイターに求められるものづくりや働き方が大きく変化しました。
緊急事態宣言時には、渋谷駅を賑やかしていた広告は消え、初めて見た真っ白な壁。広告・飲食・観光…と様々な業界が業務を止めざるを得ない状況となり、クリエイターたちの仕事も激減しました。
今まで以上に、予想できない未来に不安を抱えていた方が多くいらっしゃったと思います。自宅で過ごす時間が格段に増えたことで、自身と向き合う時間も増え、他者からの視線や常識から解放されて、自分軸で判断して行動する人が増えました。
そういった価値観の変化が、地方移住やご自愛時間を優先する生活などに影響していると考えます。
私たちの中心には経済活動があり、“クリエイティブトレンド”はそれらの変動に強く影響しているのだということが、改めてはっきりとした年でした。
2021年も引き続き、COVID-19と付き合いながら歩んでいかなければなりません。
withコロナ時代に求められるビジネスやサービスとは何か。そして、それらに付随し、求められるクリエイティブとは何か。ニューノーマル時代の、クリエイターたちの働き方や仕事についてお話できればと思っています。
プロフィール
京都の美大を卒業後、クリエティブ制作を専門とするスタートアップ企業に入社。
約2年間在籍し、デザイン制作 / マーケティング/ 採用 / 広報 / 新規事業立ち上げを経験後、独立。
現在は、IT・植物・ライフスタイル・デザイン領域を中心として、新規事業の立ち上げやクリエイティブディレクション、ブランディング、クリエイティブ PRを専門に活動する。
これまでの実績
トークイベント
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クリエイティブ業界人必見!2021年ビジュアルトレンド
デザイナーをはじめ、ビジュアル表現を通じて世の中に発信する生業の人々を対象に「Creative Trend 2021」を深掘りすると共に、 デザインフェスティバル『Design Scramble』を立ち上げ代表として運営している後藤あゆみ氏をゲストに迎え、2021年のクリエイティブに何が求められていくのかを考察し対談する無料オンラインイベントを開催します。
後藤 あゆみ 氏
クリエイティブプロデューサー
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内田浩太郎
今年は多難な一年でした。 極めて特殊な環境下でありながらも、PIXTAでは様々なイメージの流通が活発に行われました。 これらの動向を活かすべく、昨年に引き続き本年度の取引データを軸に社内の担当チームによる分析と考察を経て9つのテーマに展開された「クリエイティブトレンド2021」として皆様にお届けする運びとなりました事をとても嬉しく思います。
昨年、私の考える当社のクリエイティブトレンドの意味合いの一つとして『PIXTAに蓄積している「差異視点」断面のマーケットへの再配分』を挙げましたが、今年はその「差異」を超えた新たな社会的視点がより際立ってきた一年であったろうと考えています。
世の中では様々なトレンド予測が発信されていますが、取引データと社会考察に基づいたPIXTAならではの「クリエイティブトレンド2021」は一味違うインスピレーションを皆様に感じていただけるのではないでしょうか。
まだまだ混沌とした状況下ではありますが、来る2022年に向けて本コンテンツが皆様の情報ソースの一つとして役立てていただければ幸いです。