クリエイターインタビュー:KAORU
KAORUさんの職業を教えてください
人物撮影をメインとしたプロのカメラマンです。
KAORUさんの年齢を教えてください
36歳です。
KAORUさんのフォトグラファーとしての経歴を教えてください
誰かに師事をしたり、スタジオに所属したり、学校を出たりという経験はありません。趣味で写真を撮っていたんですが、7年前から本格的に写真を始め、3年ほど前からプロとしてキャリアをスタートさせ現在に至っています。
現在のPIXTAでの売上金額はいくら位ですか
09年4月で約60万でした。
PIXTAでの売上の伸び率はどのように見ていますか
思ったより速い伸びです。
私は、手取りで20万が第一の目標で、それを達成するには2年くらいかかるかなと思っていたんですが、1年経たない段階で20万の手取りを達成したので伸びが速いです。
撮影した企画が売れはじめるまで、大体どのくらいの期間ですか
撮影したテーマや内容によりますが、売れ始めたなと思い始めるのは、販売開始してから半月くらいです。
ストックフォトに割いている時間はどのくらいですか
一企画に対して撮影カット数は600枚くらい、そこからセレクトして実際にPIXTAで販売するのは150枚前後です。また企画の本数は月に多くて3本の企画で、平均すると大体月に2本の企画を撮影しています。このほかにも空いた時間などにストックフォト撮影の為のロケハンなどもしています。
ストックフォト以外の時間はどんなことをされているんですか
普通に撮影の仕事をしたり、作品撮りをしています。
ストックフォトではどのような企画を設定し、撮影されることが多いですか
人物で売れるテーマとPIXTAの既存コンテンツに少ないものを狙います。今のところは売れるテーマ、売れそうなテーマを中心に満遍なく撮影しているという状況です。
テーマ設定の際に気をつけていることはありますか
はい。
時代のニーズに合っているか、これから伸びていくテーマかを考えてテーマを設定しています。今の時代だとエコとか節約などもそのひとつですね。
テーマによってはPIXTAで作品を検索し、この作品とはかぶらないほうがいいなというチェックをしてます。似たような構図であったり、似たような構成(被写体の性別、年齢、人数等)はPIXTAの中で食い合ってしまうので、PIXTAで検索し写真を見て判断します。
また、既存のストック作品でどんな作品がアップされているか、を確認するのも重要なのですが、同時に実際に素材を買ってくれるデザイナー等購入者、広告制作等を発注している最終クライアント、そういった人達がどういったものをチョイスしているかを確認しています。
確認方法としては街の広告をチェックしたり、企業のWEBを確認してます。
2月、3月で1位になった作品はコールセンターをイメージした作品ですが、実際のコールセンターのWEBを確認してテーマ設定等をしました。現場から逆算してストックのテーマ設定をし作品を作っていくほうが売れる可能性が高くなる気がします。
売れた企画と売れない企画の違いはありますか
設定したテーマに対する需要の違いで売れる、売れないが大きいです。
ビジネスをテーマとした企画、家族をテーマとした企画はたくさんの人が撮影し、ストックフォトとして登録されてますが、それでも売れ続けています。ある程度飽和していると思うんですが、それでも売れてますよね。ですのでテーマに対する市場のニーズが高いとよく売れると思います。
一般的にストックフォトは自由度が高くないと思われがちですが、どのようにお考えですか
作品の延長のような写真は売れないので、そういった点の自由度は高くないかもしれませんが、新規のアイデアを出し、撮影することに関して自由度は高いです。
またアマチュアの方がプロの作品に対抗するにはアイデアで勝負していくしかないなと思います。アマチュアの方がプロと同じ写真を撮影しようとしても技術の差がありなかなか難しいのですが、アイデアや発想は差が無いのでそういった点で勝負できると思います。
PIXTAは販売単価が安いと言われる方もいらっしゃいますが、そこはどのようにお考えですか
販売単価が安いのでPIXTAに参加しました。
販売単価が高かったら参加しなかったと思います。
理由としては
- 安い価格の写真素材がこれから伸びる
- 単価は安いがその分枚数が売れ、毎月の収入が安定する
と考えました。
今の時代は百円ショップやユニクロをはじめ、安いものが売れています。
また色々と調べた結果、単価の高いRM素材と比較した場合、1枚5万位で売れることもありますが、売れたり売れなかったりで収入が安定しないんです。その点、単価が安ければコンスタントに需要があり、収入も安定すると考えました。収入がある程度計算できると言うのも魅力です。
売れる人と売れない人の違いは何だと思いますか
写真はうまいけど売れてないだろうな、と言う人もいますし写真はあまりうまくないけどそこそこ売れてるんだろうなと言う人もいます。自分の趣味ではなく、ストック用と割り切って撮っているかどうかが、売れる人と売れない人の違いだと思います。プロだから売れる、とかそう言うことではないです。
ストックとして売れる写真の条件を満たしているかどうかが重要で、プロでも条件を満たしていなければ売れないと思います。
具体的な条件ですが
- テーマがはっきりしている
- 売れるテーマの写真である
- そのテーマに沿う記号(小物、ロケーション、しぐさ、衣装、表情)が入っていること
- 背景に余計なものが入っていない
- 被写体が女性の場合はモデルがかわいい
これらの条件を満たしていればいるほど売れる可能性が高くなります。
その他に売れる秘訣などがありましたら教えてください
ストックで売っていきたいと思ったら、芸術的にいい写真をたくさん撮っても売れることは稀なので、売れる写真を意図的に作っていくこと、システマティックに作っていく事が必要だと思います。特に素人の方に多いですが、購入者の意識を軽視している作品が多いです。具体的には背景がごちゃごちゃしていて、なおかつ暗い作品が多いです。
ストックを出品しているフォトグラファーはお客様が買って下さって始めて成り立つ、写真のサービス業であるので、購入者の事を考えていない作品は売れません。独りよがりの作品は間違いなく売れないです。
そこを忘れずに、購入者の視点も持った作品を撮影できれば売れる作品となると思います。
KAORUさん、インタビューへのご協力ありがとうございました!
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